脳を理解するための基礎知識
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脳に良い栄養とは - 脳を理解するための基礎知識

基礎知識5 脳に良い栄養とは

アラキドン酸(ARA)が脳の機能性かを改善

認知症の予防など、脳の健康への関心が高まる中、食品に含まれる「脳に良い栄養」についての研究が進んでいる。 その結果、ビタミンE、コエンザイムQ10(CoQ10)などの抗酸化物質や、魚に豊富に含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)やα-リノレン酸といった不飽和脂肪酸などが、脳によい栄養素として着目されてきた。

さらに、最近になって不飽和脂肪酸のひとつであるアラキドン酸(ARA)に、脳の機能低下を改善する働きがあるという研究も始まっている。アラキドン酸とは、細胞膜をつくる主要な脂肪酸で、身体の組織のいたるところに含まれている。記憶に関与する脳の海馬にも含まれていることから、脳の働きそのものにも深く関わっていると考えられている。アラキドン酸は体内でもリノール酸から合成されるが、その量はごくわずか。卵、魚、肉などの食品から摂る必要がある。

杏林大学医学部精神神経科教授、古賀良彦氏らによる研究「食と睡眠の生理学―アラキドン酸の脳機能に与える影響」によると、アラキドン酸の摂取により、脳がおよそ7歳分若返るという結果が出ている。

この実験は60~70歳までの男性20名に、アラキドン酸を1カ月間摂取してもらい、その前後で、脳の認知機能を調べたもの。ヘッドフォーンを装着した被験者に対して、低音の中にときどき高音を混ぜた音を聞かせ、高音を聞きとった時にボタンを押してもらい、実験の中での脳波をコンピュータで解析した。その結果、アラキドン酸を摂取した群は、摂取していない群に対して、明らかな若返り効果があったことが判明した。

実験に用いたアラキドン酸の量は1日240mg。栄養バランスのとれた食事を摂っていれば自然に補給できる量であるが、体内でのアラキドン酸合成能が低下し、小食になりがちな高齢者だと不足する可能性がある。
実際、脳のアラキドン酸量は、加齢とともに減少することが確認されているので、積極的な摂取を心がけたい。